隣家の屋根の雪がうちの敷地に落ちてきて困っています(とっとり県政だより「身近な法律相談」バックナンバー)

本年も12月が近くなり雪の季節になってきました。
雪の多い鳥取においてこの時期に時々ご相談を受ける雪の問題について投稿いたします。

Q.毎年冬になると、隣家の屋根に積もった雪が我が家の敷地に落ちて通路をふさぎ、自動車の出入りが困難になってしまいます。このような場合、隣の住人に何か主張できないのでしょうか。

A.他人の家の屋根から落ちた雪によって、所有している土地の利用が妨げられている場合、原則的には、所有権に基づく妨害排除請求として、その雪を排除するよう要求することができます。ただし、この場合でも、所有している敷地において実害が発生していないのであれば「受忍限度」の範囲内として、要求が認められないことがあります。

本件の場合も、落雪の影響が「受忍限度」の範囲内と言えるかが問題となりますが、自動車の出入りが全く不可能になるほどの落雪であれば、雪をどかすように要求することができると思われます。

雪の多い地域では、近隣で雪に関するトラブルが発生することがありますが、無用な紛争を避けるために、まずはよく話し合うようにしましょう。

文責:弁護士 吉岡 伸幸
とっとり県政だより「身近な法律相談」 2012年2月号バックナンバー